「AI を使ったほうがいいのは分かっている。でも、何から始めればいいのか分からない」。社員が数人から数十人の会社の社長から、よく伺うお悩みです。

AI は、使い始めることよりも、毎日の仕事の中で使い続けることのほうが難しい道具です。この記事では、小さな会社が AI を取り入れるときに、最初の1か月でやっておきたい4つのことを、順番にまとめます。

1. AI に任せる仕事を、1つだけ選ぶ

最初から「全社で AI を使う」と決めると、何から手を付けるかが決まらず、結局だれも使わなくなりがちです。まずは、次の条件に当てはまる仕事を1つだけ選びます。

  • 毎日・毎週くり返している
  • 文章や資料をつくる仕事である
  • 多少の手直しが入っても困らない

たとえば、メールの返信の下書き、会議の議事録のまとめ、求人の原稿、お客様からのよくある質問への回答などです。反対に、金額の計算や契約書の最終確認のように、間違いが許されない仕事は、最初の1つには向きません。

2. 社内ルールで、3つのことを先に決める

社員がそれぞれの判断で使い始めると、「お客様の情報を入れてしまった」「AI の答えをそのまま送ってしまった」ということが起こりえます。使い始める前に、次の3つだけは決めて、紙1枚にまとめておきましょう。

  1. AI に入れてよい情報・入れてはいけない情報(お客様の名前や連絡先、社外秘の数字など)
  2. AI を使ってよい仕事・使わない仕事
  3. AI がつくった文章は、人が読んで確かめてから使うこと

ルールは、最初から完璧である必要はありません。使いながら「これは入れてよいか」と迷った場面が出てきたら、その都度書き足していきます。

3. 指示の文(プロンプト)を、社内で共有する

同じ AI を使っても、指示の書き方によって仕上がりは大きく変わります。うまくいった指示の文は、個人のものにせず、社内で共有しておくのがおすすめです。指示の文は、次の4つを入れて書くと、仕上がりが安定しやすくなります。

  • だれとして書くか(例: 当社の営業担当として)
  • だれに向けて書くか(例: 初めて問い合わせてきたお客様に)
  • 何をしてほしいか(例: お礼と、次の打ち合わせの候補日を伝える返信を)
  • どんな形で出してほしいか(例: 300字くらいで、敬語で)

この型に当てはめた指示の文を、仕事ごとにまとめておくと、社員の誰が使っても、同じように仕上がるようになります。

4. 1か月後に、使えているかを確かめる

1か月たったら、選んだ仕事で AI が実際に使われているかを確かめます。見るのは、むずかしい数字ではなく、次のような点で十分です。

  • 選んだ仕事で、毎回 AI を使っているか
  • 手直しにかかる手間は、自分で一から書くより少ないか
  • ルールで迷った場面はなかったか

使えていれば、次の仕事を1つ足します。使えていなければ、選んだ仕事が合っていなかったのか、指示の文が合っていなかったのかを見直します。こうして1つずつ増やしていくと、無理なく社内に根付いていきます。

まとめ

小さな会社の AI 導入は、大きな計画から始める必要はありません。

  • 任せる仕事を1つだけ選ぶ
  • 社内ルールで3つのことを決める
  • 指示の文を社内で共有する
  • 1か月後に、使えているかを確かめる

この4つを順番に進めれば、社長や社員の毎日の仕事に、少しずつ AI が根付いていきます。

当社では、業務の棚卸しから、会社専用の指示文集・社内の AI 利用ルールづくりまで、3か月で社内に定着させるAI 導入のお手伝いを行っています。「何から始めればいいか分からない」という段階からご相談ください。